(中国) 国家規格、業界規格、地方規格、団体規格の区別を明確にする
少し古いのですが22021年10月に「品質と認証」で紹介されていた国家規格、業界規格、地方規格、団体規格に関する説明記事のご紹介です。
国家規格、業界規格、地方規格、団体規格はどのように区別されているのか? 私たちがこれらを選択する際にはどのようなことを優先すべきか?
≪中華人民共和国標準化法≫での規格の定義:
規格とは、農業、工業、サービス業、一般事業等で必要となる統一された技術要求のことを指す。
【各規格の定義を理解する】
≪国家規格の定義≫
国家標準化行政主管部門が承認し公布する。わが国経済の技術発展にとって重大な意義を持ち、全国において統一した技術要求の必要性により制定されるのが国家規格である。
国家規格は≪強制国家規格≫と≪推奨規格≫に分かれる。
≪強制国家規格≫:<人の健康と安全>、<生命と財産の安全>、<国家の安全>、<生態環境の安全>を保障し、経済的、社会的管理の基本的必要性を満たす技術要求。
≪推奨国家規格≫:基本的、一般的要求を満たすための規格で、強制国家規格とセットで用いる。各業界を導くために用いる等、需要に応じた技術要求である。
≪業界規格の定義≫
推奨国家規格がなく、ある業界内で統一すべき技術要求が必要なために制定される規格で、国務院関連行政主管部門が制定を計画する公益性が高い規格である。
業界規格のコードと番号は国務院標準化行政主管部門が制定したルールにより決められているため、業界ごとに業界規格コードは異なる(例:NY=農業(農業部)、SL=水利(水利部)、MZ=民生(民生部)等)。
≪地方規格の定義≫
省レベル標準化行政主管部門とこの部門から承認を得た地級市(PSF注:省レベルの行政単位と県レベルの行政単位の中間にある地区レベルの行政単位)の市レベル標準化行政主管部門が地方の自然条件、風俗習慣等の特殊技術要求を満たすために制定する推奨規格。
地方規格の技術要求は強制国家規格の関連技術要求より低くなってはならないものであり、また関連規格との間で調整を行って組み合わせてセットとしなければならない。地方規格は該当する行政区域内で適用する。
≪団体規格の定義≫
団体規格は法に則り設立した社会集団が市場や新しい企画の必要性に応え、関連する市場主体と共に制定する規格である。団体規格は当該集団の構成員が採用することを約定するか、或いは団体の規定によっては社会で任意採用するのに供される。
団体規格の技術要求は強制国家規格の関連技術要求より低くなってはならない。
社会集団は推奨規格の関連技術要求より高い技術要求を用いて団体規格を制定することを奨励する。
団体規格は、新技術、新産業、新業態、新形式に焦点を合わせたものである。規格の空白部分を埋めて、団体の基準として指導的役割を果たす。
【コード区分を知る】
国家規格、業界規格、地方規格、団体規格は、コード区分によって種類を識別することができる。
GB:強制国家規格コード
GB/T:推奨国家規格コード
DB/T××××:地方規格コード
T/××××:団体規格コード
業界規格コードは国務院標準化行政主管部門が公布する(例:農業業界規格コードNY等)。
【規格の適用について理解する】
規格の適用について≪標準化法≫の中で明確になっていることは、強制規格は必ず実施しなければならないものであり、推奨規格は国家が採用することを奨励している規格であるということである。
推奨国家規格、業界規格、地方規格はすべて推奨規格であり、企業は適切な推奨規格を自社で選んで採用することができる。また企業は企業規格を制定したり、団体規格を採用したりすることもできる。
≪民法典≫第511条では品質契約が明確でない場合の規格の使用順序を規定している。
品質要求が明確でない場合は、強制国家規格に基づき履行する。
強制国家規格がない場合は、推奨国家規格に基づき履行する。
推奨国家規格がない場合は、業界規格に基づき履行する。
国家規格、業界規格がない場合は、一般規格または契約目的と一致する特定の規格に基づき履行する。
以上が規格の区別に関する解説である。更に詳しい情報を入手したい場合は、国家標準化管理委員会の公式サイトで検索することができる。