(中国) エネルギー効率ラベル(能効ラベル/China Energy Label)管理規則
エネルギー効率ラベル(能効ラベル/China Energy Label)は、エネルギー効率性能ラベル(マーク)である。対象品目はエネ効ラベルを表示しなければならない。指定試験所に委託してエネルギー効率等級を確定し、登録システムに該当製品を登録することでラベルを表示することが可能である。
エネルギー効率ラベル管理規則
第一章 総則
第一条 省エネルギー管理を強化し、省エネルギー分野の技術を推進し、エネルギー効率を向上させる為、≪中華人民共和国省エネ法≫、≪中華人民共和国製品品質法≫、≪中華人民共和国輸出入商品検験法≫及びその実施条例、≪中華人民共和国認証認可条例≫の 規定に基づき、本規則を制定する。
第二条 本規則で称するエネルギー効率ラベル(以下、エネ効ラベルと略称する)とは、エネルギーを使用する製品に対しエネルギー効率の等級(ク ラス)等の性能を表示する一種の情報表示ラベルのことを指し、製品の適合性マークの 範疇に属するものである。
第三条 国家は省エネ性の高い製品、使用範囲の広い製品に対しエネ効ラベル の管理を実施する。具体的な製品は目録により管理する。
国家発展改革委員会(以下、国家発展改革委と略称する)、国家品質監督検験検疫総局(以下、国家質検総局と略称する)、国家認証認可監督管理委員会(以下、国家認監委と略称する)は、エネ効ラベル管理制度の確立と計画、実施に責任を負う。国家発展改革委は国家質検総局、国家認監委と共に≪中華人民共和国エネ効ラベル実施製品の目録≫(以 下≪目録≫と略称する)を制定及び公布し、統一した製品エネルギー効率規格、実施規則、エネ効ラベルの仕様及び寸法を規定する。
第四条 地方各クラスの人民政府省エネ作業管理部門(以下、地方省エネ主管部門と略称する)、地方各クラスの品質技術監督部門及び出入国検験検疫機関(以下、地方質検部門と略称する)は、夫々の職責範囲内で所轄区域のエネ効ラベルの使用に対し監督管理を行う。
第五条 ≪目録≫にあるエネルギー使用製品の生産者及び輸入業者は国家質検総局と国家発展改革委が権限を授ける中国標準化研究院(以下、授権機関と略称する)へ、エネ効ラベル及びその関連情報の届出を行わなければならない。
第二章 エネ効ラベルの実施
第六条 生産者及び輸入業者は≪目録≫にあるエネルギー使用製品に対しエネ効ラベルを表示しなければならない。国の統一されたエネ効ラベルの仕様、寸法、及び表示に関する規定に従いエネ効ラベルを印刷及び使用し、また製品の包装物または使用説明書にも説明を入れなければならない。
≪目録≫にあるエネルギー使用製品がインターネットを介して取引される場合は、製品情報を掲載するホームページの画面のよく目立つ場所にもエネ効ラベルを表示しなければならない。
製品の包装物、説明書、インターネット取引の製品情報掲載画面、及び宣伝資料に使用するエネ効ラベルは、標準仕様より任意に拡大縮小することができるが、鮮明に見えなければならない。
第七条 中国のエネ効ラベルの正式名称は、≪中国能效标识≫(英文:China Energy Label) という。
エネ効ラベルには、次の基本的な内容を含める必要がある。
(一)生産者の名称または略称
(二)製品仕様及び型号
(三)エネルギー効率等級
(四)エネルギー効率指標
(五)根拠となるエネルギー効率強制国家規格の番号
(六)エネルギー効率情報コード
国家エネルギー効率「先駆者」目録に入っている製品は、「先駆者」に関する情報も含めなければならない。
第八条 ≪目録≫の製品の生産者及び輸入業者は自社の試験所を使用するか、或いは法に則り資格認定を受けている第三者試験機関に委託して試験を行うことができる。エネルギー効率の強制国家規格に従い製品 のエネルギー効率等級を確定する。
企業の自社の試験所は、関連する製品のエネルギー効率強制国家規格に規定されている試験方法と要求に従い試験を行い、事実に基づいた製品のエネルギー効率試験レポートを発行しなければならない。
生産者及び輸入業者から試験の委託を受けた第三者試験機関は、関連する製品のエネルギー効率強制国家規格に規定されている試験方法と要求に従い試験を行い、試験結果の客観性、公正性、真実性、正確性を保証し、製品と企業に関する秘密を守り、関連する法律上の責任を負わなければならない。
第九条 自社の試験所を使用してエネルギー効率等級を試験し確定する生産者と輸入業者は、自社の試験所がエネルギー効率強制国家規格に基づいて試験を行う能力があることを保証しなければならない。企業の自社の試験所は国の認可機関の認可を取得することを奨励する。
自社の試験所を使用してエネルギー効率等級を試験し確定する生産者と輸入業者は、自社の試験所が発行する製品のエネルギー効率試験レポートに対し責任を負うものとし、また関連する法律上の責任も負わなければならない。
第十条 ≪目録≫にあるエネルギーを使用する製品については、生産者は出荷する前、輸入業者は輸入する前に授権機関へ届出を申請しなければならない。エネ効ラベルの届出には以下の資料を提出しなければならない。
(一)生産者は営業許可書または事業免許の登録証明書コピー、輸入業者は営業許可書と海外生産者との間で締結した契約書のコピー
(二)エネルギー効率試験レポート
(三)エネ効ラベルの見本
(四)製品の基本的な組立リスト等の関連資料
(五)自社の試験所を使用して試験を行う場合は、その試験所の試験能力に関する証明書類(試験所の職員の能力、設備、試験管理規範を含める)を提出しなければならない。国の認可機関の認可を取得している場合は、上記の他に認可証明書のコピーも提出しなければならない。第三者試験機関を使用して試験を行う場合は、試験機関の資格認定書のコピーを提出しなければならない。
(六)代理人を通じて届出資料を提出する場合は、生産者または輸入業者からの 代行委任状等を提出しなければならない。
上記の資料は真実に基づいたもので、正確かつ完全に整ったものでなければならない。
外国語の資料については中国語翻訳を付帯しなければならない。全ての資料は中国語版を優先し、中国語に翻訳した内容に準ずることとする。
第十一条 国内に入る≪目録≫のエネルギー使用製品で以下の状況に一つでも当てはまる場合は、エネ効ラベルの表示及び届出を免除することができる。
(一)外国の駐中国大使館、領事館、または国際組織の駐中国機関及びその外交職員の私有物。
(二)香港、マカオ特別行政区政府の駐大陸政府機関及びその職員の私有物。
(三)入国する人員が国外から国内に携帯してくる私有物。
(四)外国政府からの援助物資、贈り物。
(五)科学研究や試験を行なう為に必要な製品
(六)生産ラインの導入、技術評価で必要となる部品
(七)最終ユーザーへの修理目的で必要な製品
(八)工場の生産ライン、組立生産ラインにセットする機械及び部品(事務用品は含めない)。
第十二条 エネ効ラベルの内容に変更があった場合は、改めて届出を行う。
第十三条 授権機関は生産者及び輸入業者が使用するエネ効ラベルと製品のエネルギー効率試験レポートに対し、照合確認を行う。
第十四条 授権機関は完全に整った届出資料を受理した日から10 稼働日以内にエネ効ラベルの届出作業を完了させ、届出完了日から5 稼働日以内に届出されたエネ効ラベルの見本を公開しなければならない。
エネ効ラベルの届出は費用を徴収しない。
第十五条 生産者及び輸入業者は表示するエネ効ラベルとその情報の正確性に責任を負わなければならない。
第十六条 販売業者(インターネットでの商品販売者を含める)は入荷した商品の検査検収制度を確立し実施することとし、≪目録≫のエネルギー使用製品のエネ効ラベルを調べて確認し、エネ効ラベルを表示すべき製品にエネ効ラベルが表示されていない場合は、これを販売してはならない。
第三者取引プラットフォーム(場所)の運営者が≪目録≫のエネルギー使用製品をプラットフォーム(場所)経由で販売するには、エネ効ラベルの検査監視制度を確立し、本規則の規定に違反する行為を発見した場合は、直ちに対策を講じてこれを阻止しなければならない。
第十七条 如何なる部門、個人であってもエネ効ラベルを偽造、不正使用したり、エネ効ラベルを利用して虚偽の宣伝を行ったりしてはならない。
第三章 監督管理
第十八条 国家質検総局はエネ効ラベルの使用に対する監督検査、特別検査、検証管理を計画、実施することに責任を負う。
地方質検部門は所轄区域内のエネ効ラベルの使用に対し監督検査、特別検査、検証管理を実施し、本規則の規定に違反する行為を発見した場合は同クラスの省エネ主管部門へ通報し、また授権機関にも報告することに責任を負う。
第十九条 授権機関はエネルギー効率が不合格となった製品の生産者または輸入業者の届出情報を取り消し、即時これを公表しなければならない。
第二十条 ≪目録≫のエネルギー使用製品の生産者、輸入業者、販売業者(インターネットでの商品販売者を含める)、第三者取引プラットフォーム(場所)の運営者、企業の自社の試験所及び第三者試験機関は、監督検査、特別検査、検証管理を受け入れなければならない。
企業の自社の試験所、第三者試験機関がエネルギー効率の試験において試験結果を偽造する、或いは虚偽のエネルギー効率試験レポートを発行した場合は、授権機関は発覚後一年間その試験結果を採用しない。
第二十一条 授権機関は規範化した作業制度を確立し、客観的で公正な届出作業を展開し、届出された製品と企業の業務上の秘密を守らなければならない。
第二十二条 如何なる部門、個人も本規則の規定に違反する行為に対し、地方省エネ主管部門、地方質検部門へ通報することができる。地方省エネ主管部門、地方質検部門は即時調査及び処分を行い、通報者の秘密を守るものとし、授権機関もこれに協力しなければならない。
第二十三条 国家発展改革委、国家質検総局、国家認監委は本規則の規定に違反する行為に対し信用記録を作成し、全国の統一された信用情報に組み入れ、情報の相互共有を図る。
第四章 罰則
第二十四条 地方省エネ主管部門、地方質検部門は≪中華人民共和国省エネ法≫の関連法律規定に基づき、夫々の職責範囲内において本規則の規定に違反する行為に対し処罰を行う。
第二十五条 エネルギー効率強制国家規格に適合しないエネルギー使用製品を生産、輸入、販売するものは、≪中華人民共和国省エネ法≫第七十条に従い処罰する。
第二十六条 エネルギー使用製品に模倣品や粗悪品を混ぜる、模倣品を本物と偽って提供する、粗悪品を優良品として提供する、不合格品を合格品のように見せかける、或いはエネルギー使用製品を輸入する際に模倣品や粗悪品を混ぜる、模倣品を本物と偽る、粗悪品を優良品とする、不合格品を合格品のように見せかけた場合は、≪中華人民共和国製品品質法≫第五十条、≪中華人民共和国輸出入商品検験法≫第三十五条の規定に従い処罰する。
第二十七条 本規則の規定に違反し、エネ効ラベルを表示すべき製品にエネ効ラベルを表示していない場合、或いはエネ効ラベルの届出を行っていない場合、使用するエネ効ラベルが仕様及び寸法等の表示規定に適合していない場合(インターネット取引商品のエネ効ラベル表示要求に適合していない場合を含める)、エネ効ラベルを偽造、不正使用した場合、或いはエネ効ラベルを利用し虚偽の宣伝を行った場合は、≪中華人民共和国省エネ法≫第七十三条に従い処罰する。
第二十八条 本規則の規定に違反し、企業の自社の試験所、第三者試験機関がエネルギー効率試験において試験結果を偽造する、或いは虚偽のエネルギー効率試験レポートを発行した場合は、≪中華人民共和国製品品質法≫、≪試験機関資格認定管理規則≫に従い処罰する。
第二十九条 エネ効ラベルの管理に従事する国家職員及び授権機関の職員が職責を軽んじる、職権を乱用する、或いは違法行為を隠匿、容認する場合は、法に則り処分する。犯罪に至った場合は、法に則り刑事責任を追及する。
第五章 附則
第三十条 本規則の解釈は国家発展改革委、国家質検総局が責任を持つ。
第三十一条 本規則は、2016 年6 月1 日から施行するものとする。2004 年8 月13 日に国家発展改革委、国家質検総局令第17 号で公布した≪エネ効ラベル管理規則≫を同時に廃止する。